2日の夜、ラジオJ-WAVE『JAM THE WORLD』にゲスト出演しました。

「転換期を迎える日本ボクシング界の最新事情」というテーマで、「ボクシングブーム復活への秘策」をいろいろと聞かれました。
「世界チャンピオンが4人もいるのに名前がわからない…」とか、「昔と比べて視聴率が…」といった質問がナビゲーターから次々と…。難しいこと、答えにくいことが盛りだくさんでした。

いまボクシング界では人気復活の為、K-1などに負けないようにショーアップし、エンターテイメント性を高くした興行が行われたり、「ボクシングくじ」の導入など、人気復活のためにいろいろな試みがされています。

しかし逆に、ボクシングの本当の魅力であるストイックさや判定勝負の時の“接戦の醍醐味”を大事にし、へんにショーアップしない方が良い、という意見もあります。

私が番組の中で言ったこと(時間の都合で言えなかったこと)を簡単にまとめると・・・


「昔と比べて視聴率が…」という質問に対しては、ボクシングには長い歴史があり、何十年も前からチャンピオンがいなくなると人気低迷だといわれてきたようです。

昔と比べて娯楽やスポーツが増え、視聴率はたしかにファイティグ原田さんの時代から比べれば下降しているでしょう。

「4人もチャンピオンがいるのに…」という質問に対しては、現在のボクシング界の状況としては人気に火がつく前段階だと答えました。
現世界チャンピオン4人のうちの2人は4月になったばかり。また、その下の世界ランキング(WBC)には30名以上の選手が名をつらね、そのまた下の東洋にはチャンピオンが9人もいます。

もちろんボクシングの人気が出るにはチャンピオンの数ではなく、スター的なチャンピオンが必要です。これも努力もせずに「出るまで待っている…」のではなく、全国のジムや選手が「明日のスター」を目指して、毎日汗を飛び散らせて頑張っています。

現在の世界チャンピオン4人をはじめ、多数の上位ランカーの中には、きっと明日の国民的スターになるキャラクターがいることでしょう。

ボクシングが盛り上がる時期は、すぐ近くまで来ているといえます。

また、私がボクシング人気高揚のために、チャンピオンを作るのと同じくらいボクシング界として力を入れなくてはならないと思っていることは「ボクシングの底辺拡大」です。

ファンやマニアだけでなく、一般の人にもっとボクシングを身近に感じてもらい、ボクシングに目や耳を傾けてもらうことがとても大事だと思います。

女性や主婦の方がやる「ボクシングエクササイズ」は、フィットネス業界でなくボクシング業界が力をいれてやらなければいけないものだと思います。

ボクシングにはまだまだ偏見があり、魅力が伝わっていないため、フィットネスクラブではボクシングをして汗を流しても、ボクシング中継は世界戦であっても見ない、という状況だと思います。

最後にもう一つ。
これはラジオでは言いませんでしたが、「決してボクシング人気を下げることをしないこと」。不可解な判定は決してやってはならない。ボクシングの大きな魅力を失わせるものであり、一番ファンが引く原因になります。

中立な立場でレフェリーやジャッジを評価する機関を設置するなどして、時には罰則なども必要かもしれません。これらはサッカーなど、世界的なスポーツでは当たり前だそうです。

レフェリーやジャッジのレベルアップ。これもある意味「ボクシング界の底辺」かもしれませんが、安定した人気を維持し、ボクシングがメジャーであり続ける為には必要かつ重要なことだと私は思います。

飯田覚士

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