間違ってないロメロの『足し算論法』
それを越えたデービスのスピードとパワー!
3階級同時制覇のデービスが主役だが、ロメロも人気選手。
とはいえ、やはりオッズは大きくデービスに傾いていた。
デービスはゴング前から集中に欠けるところが見え、やや心配。
1R、ラウンド中盤で右ガードも弛めた。
ロメロは気合と集中力が高く、デービス対策もバッチリ。
普段より後ろ重心を強めにプレッシャーをかけ、カウンターに注意してジリジリと詰める。
ラウンドを重ねると、余裕が少し出てきて前傾姿勢でデービスの左を誘うシーンも。
(カウンターもしくは打ち終わりの右を狙っていたと思う)
決着はデービスの一発で決まった。
6RのKOシーンは、会場のスクリーンで何度もスロー再生されるほど衝撃的だった!
ロメロはロープまで追い詰めたデービスの左カウンターに対して
何度もジャブと身体の動きで慎重にフェイントをかけた後、右フックを強振。
すぐに同じ右フック(やや狙い位置を下へ変えた)から左ストレートをまっすぐ顔面へ・・・
一発で当たらなければ二発、それでも当たらなければ三発、四発・・・
パンチを足していって追うことはセオリーであり、
ディフェンシブでフットワークを使う選手に対して有効。
よくあるのは当たらないから更に一発強打を狙って大振りになって空回り。
単調な攻めで最終ラウンドのゴングを聞く・・・
ロメロの足し算論法は間違っていなかったが、その上を行っていたのがデービス。
二発目の右フックが三発目を返すために小さく弱くなり、やや下にアクセント加えたのも逆目にでて、
狙った三発目の左ストレートを打つ時にはデービスの顔はすでにそこになく、
逆にデービスの左フックがロメロの顔面をとらえていた。
デービスはカウンターを打つ気が半分、
ロープを背にしていたから横へ回り込む意識が半分だったのでは。
あの瞬間、一発を狙って倒そうとはしていなかった気がする。
(リング上のインタビューでも「そんなに強く打ったつもりはない」とコメント)
それにしてもデービスのパンチ力は凄い。
控室へ向かうロメロの右頬はデービスの一発で、大きく赤いアザになっていた。
デービス対ロマチェンコ戦が見たくなった。
2022年5月28日(日本時間29日) ニューヨーク州ブルックリン バークレイズセンター
(デービスの名前表記はジャーボンタやジェルボンタ、ジャルボンタ、ガーボンタなど)
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