マスコミを通じて、一般の視聴者に対して誤解されている部分を少し書いておきます。

まずはルールについて。

「WBCルールで身内がセコンドについてはいけないのに、JBCが特別亀田家にOKを出した」…×

「例外をのぞき、」という前置きがあり、父親がトレーナーや会長の場合は問題ない。
ラスベガスなど、世界中のタイトルマッチで前例がある。(越本元世界チャンピオンも、長嶋建吾選手も、親子でやっている)
世界戦の場合、セコンド(チーフセコンド、サブセコンド)に、誰がつくかは試合前に確認される。WBC、JBCとも、セコンドライセンスを持つ父親が上がることを認めたので試合が成立した。

「セコンドライセンスでトレーナーをするのは問題だ」…×

まったく問題ない。
トレーナーライセンス、セコンドライセンスは、各ジムがJBCに申請をだし(トレーナーとセコンド合わせて6名まで)、交付してもらう。
ボクシング経験のない者はトレーナーライセンスはすぐ取れず、セコンドライセンスを取り、何年か経験を重ねてから“ジムの判断”でトレーナーライセンスに切り替えることもある。
ボクシング経験がなく、普段は選手指導をしない者が、セコンドライセンスを持って試合のセコンドにつくことがある(カットマンなど)。
ライセンスを持っていない者がリング内(チーフセコンド)に入ることはない。
もちろんオーナーライセンス、マネージャーライセンスを持つ者がセコンドをすることもある。

私も現役中、先輩や後輩の試合のセコンドに、サブセコンド(うがいや汗を拭くためにロープの外からサポートする)として、ついたことは何度かある。

こちらはルールとは別だが・・・↓

「謝罪会見と言いながら、JBCが亀田選手、トレーナーを擁護していて、仕切りも悪かった」…×

そもそも今回の会見は、金平会長と亀田親子が、処分を受けたことについて謝罪に出向いた時に、マスコミに対し急遽行われた会見であり、場所がJBCだったためJBCが仕切って“囲い込み会見※”として行われたもの。

※… 正式な会見でなく、芸能人などが立ったまま芸能リポーターに囲まれてやったりするあれ。

普通記者会見は、ジムが仕切ってやるもの。(世界戦の、翌日会見など)
選手本人もあの状態であり、今後時機を見て何らかの記者会見があれば良いとは思う。

「JBCがもっとはやく亀田親子のパフォーマンスを注意して何らかの勧告をしていれば…」
「JBCも亀田で儲かってるから何も言えない…」
というような声もあるが、JBCは、いち選手やいちトレーナーの言動などを指導したり、儲かったりする機関ではない。
(選手との関係でいえば、相撲協会とはまったく組織図が違う)
試合中のトラブルに対しては、以前亀田トレーナーにはJBCがペナルティーを2度出している。

テレビ番組は秒単位で進むため、私も出演した番組内で、他の出演者のコメントに意見を挟めない時もあるが、ルールやボクシング自体を誤解されないよう、またボクシングに偏見を持たれないように心掛けています。(あんまり出過ぎると、俺もそのうち叩かれるんだろうな~。)

ボクシングに対して知識がなく、偏見をもっているコメンテーターもいる。推測でコメントするコメンテーターもいる。(まぁ、それが仕事だし)

私はボクシング関係者の立場として、“事実”を伝えようと思っている。
意見を求められれば、自分なりの意見を言うつもり。(父親の言動に対してとか、パフォーマンスについてなど、ゴシップ的な意見を求められると、私が言う必要も意味もないので困るが…)

今回の件が終息し、私がテレビに出る必要がなくなる日が早く来ることを願う。