先週『笑っていいとも』のテレフォンショッキングに出演されていた榎木孝明さんが、先日ボックスファイまで来られた。

古武術を習っているということで、『いいとも』のなかで大柄なADをいとも簡単に倒したり、抱き起こしたりしていた。

「こないだ見ましたよ!」と私がいうと、「やってあげますよ!」となり、さっそくボックスファイのリングで古武術講習会が始まった!


私と男性スタッフの二人がどんなに足を踏ん張っても簡単にバッタン、ゴロンと倒されたり転がされたり…。

榎木さんはしきりに「固定観念を捨ててイメージでやるんです」と言っていた。

現役中、何人かの武道家の本を読んだが、呼吸、体軸、脱力、イメージ、(身体)意識、重心移動という言葉が並んでいた。
体(技)を極限まで極めていくと、筋肉ではないこういう所へ行き着くのだろう。

私はこういった世界へ片足を突っ込んだところで引退、“究極の所”までは行けなかったが、体の効率のよい使い方をして「最小の力で最大のパフォーマンス」を発揮するコツは掴んだ気がする。

なのでボックスファイでの指導の中でも「軸を意識して!」とか「力を抜いて重心移動で振り抜いて!」、「○○に意識して!」という言葉が飛ぶ。

これらの動きは、私は何年もかかって試行錯誤しながら身につけたものだが、何も遠回りすることはなく、初めから究極の技への最短距離を歩むのが良いに決まっている。

先日のツニャカオ戦をテレビ解説した。
翌日、セコンドについていたドリームジムの三浦会長と電話で話をした。

ツニャカオ戦の話からジムでの練習方法や指導方法へと話は変わっていった。
「現役中より今のほうが知識が増えて、ボクシングのことよく分かってるからな~! 現役当時の自分に今の俺がトレーナーにつきたいよ!」
と、笑いながら三浦節が炸裂…。

確かに私も「4回戦の頃に、こんなこと教えてもらえていたら良かったのにな~」と、ボックスファイの会員に指導しながら自分で思うことはある。

私なりに軸の作らせ方や矯正方法もわかってきた。
自分が出来たり分かっているだけでなく、指導に活かせるようになってきた。

みるみる会員が上手くなってパンチ力が上がっていくので、ミットを受ける側は大変なのだが…。

ボックスファイも3年目に入り、教えることがどんどん楽しくなってきた。