先日、初めてWBAのホームページを見てみた。
そこにはWBA総会の審判セミナーなどの様子が画像で紹介されていた。

セミナーに参加している人の中には私の知っているマスコミ関係者やライターも何人かいたので、こんど誰かに会ったらセミナーの内容を聞いてみようと思っていた。

今日発売の「SPORTS Yeah!」で、編集長みずからWBAの審判セミナーを『インサイドレポート』として記事にしていた。


私の持っているベルトはWBAのものだ。
その記事は、私を含めた元WBAのチャンピオンが読んだらがっかりするような内容だった。

試合ビデオを見るなどして、WBAとしての判定基準を明確にする場かと思っていた審判セミナーは、「ジャッジによっていろいろな見方があって、判定は分かれるもの」、ということをはっきりさせただけのようだった。

私はボクシングが大好きだ。
そして私が日頃から意識して取り組んでいるのは「ボクシングの底辺拡大」である。

この「底辺」の上にある「頂点」は、アマチュアのオリンピック金メダリストではなく“プロ”ボクシングの世界チャンピオンである。

「やっぱりボクシングはアマチュアではなくてプロでなくちゃ!」と以前から言っていたし、心から思っていたが、少し揺らいだ。

プロ関係者がアマチュアボクシングに関して否定的な意見を口にすることがあるが、今は逆の立場だろう。

ボクシングは素晴らしいスポーツである。
そしてシンプルなものだと思う。

今後もずっと素晴らしいスポーツとして世界中の人々から親しまれ、世界チャンピオンは羨望のまとになるためには、一般的に分かりづらいとされる判定基準をはっきりと打ち出さなければならないと思う。

10月5日発売「SPORTS Yeah!」№150より