元日本フェザー級チャンピオンの州鎌栄一くんが、いま審判になるための勉強中だそうだ。

私は常々レフェリーのレベルアップが必要だと言い続けている。

改善されてきているものの、問題は多い。
私が一番気になっているのは、あまりにも“タイミングの悪いストップ”をするレフェリー。
同じTKOでも、ストップのタイミングひとつで素晴らしい試合にも、つまらない試合にもなるのだ。


まだ未熟な4回戦には安全対策として早めにストップをとるのは分かる。それとは話が別だ。
(元日本チャンピオンのレフェリー、ビニー・マーチンさんは4回戦のストップは早めにしている)
ダメージは残さない方が良いに決まっている。

私は経験や勉強不足以外に、そのレフェリーがボクシングの未経験者だからがゆえの愚審が多いように思う。

理由は簡単。“パンチを打たれたことがない”からだ。
どれほどのパンチをもらった時に、どのくらいのダメージがあり、体力(戦う力)や意識、判断力が残っているか、どのぐらい足元がふらつくかなどは、経験者が一番分かっている。

4回戦か12回戦か、タイトルマッチかノンタイトルかによっても選手のダメージに対する反応は変わってくる。

元ボクサーなら、選手の微妙な表情や動きなどからどれほどのダメージなのかを“感じる”ことが出来ると思う。

KOでの勝ちも負けも、さらに世界戦も経験している州鎌栄一くん。そんな彼がレフェリーをするのはとても期待ができる。

JBC試合役員募集の記事には、「審判は名誉職であり… 交通費程度の報酬しかない…」とあるが、日本ランカー以上の元ボクサーには特別の“何か”があってもいいと思う。
そうして元ボクサーのレフェリーが増えることで、(安全面も含め)適切なストップによって面白い試合が増えることが期待できるはずだ。

また、「有名ボクサーがレフェリー」というだけで試合会場に華を添えられる、という効果もある。

私は早めのストップを否定しているのではない。
ボクシングの醍醐味をなくしてしまうような技量のレフェリングはなくしたい。
初めにも言ったが、「ストップのタイミングがその試合を決める」部分は大きい。ファン拡大の為にも、会場がしらけてしまうようなストップはなくしたい。
(レフェリーの仕事は“ダメージを見る”以外にたくさんあるのは分かっているが、選手にとっても観客にとってもここが一番重要であり、レフェリーの技量の見せ所だと思う)

いまJBCは、安河内事務局長の新体制になり、改革が進んでいるそうだ。
外国人ボクサーを連れてくることに関してや、プロテストの合否など、あらゆる面で手が加えられているという。

この夏は世界戦が多い。
“亀田人気”もあり、初めて会場に足を運んでボクシング観戦をするという人も大勢いるだろう。

絶対に、「ボクシングは面白いね!」と思わせたい。